ブレストってnanda?


新型コロナウィルス対策の東京都自粛段階が先日ステージ3になった。

今まで広告企画営業職の会社員としてオフィスで打ち合わせや企画提案書を描いては外でプレゼンや打ち合わせを繰り返して仕事の後外食や飲みに行ったりホットヨガに行ってから夜中に帰宅する平日ライフを送っていた私が、今は自分の会社のオフィスはもちろんクライアントのオフィスにも行かず文字通りすべての仕事を在宅からこなし、もうそれが平日の私のnormalになっている。

そしてそのnormalが染み付いて4ヶ月も過ごしてきた中で、以前の当たり前のように平日夜に同じような業界で仕事をしている友人と外に食事に行ってもある程度気兼ねがないステージとなると、美味しいものをスクリーン越しではなくリアルに一緒に食べながらマーケティングや仕事についてあーでもないこーでもないとカジュアルに話せるというのが今は私にとっては非日常で、だからこそ今まで気づかなかった幸せ感やありがたみをしみじみ感じる。

そんな中、久しぶりにオフラインで会う友人と在宅勤務での変化や苦労話など夜楽しく外食とお酒を呑みながら色々話している中で、ブレストの話になった。

オンラインミーティングということを差っ引いても、そもそも成功するブレストというのは本当に難しいと思うという話。

「A商品の〇〇〇の戦略のアイデアを出し合おう」「アイデア出すのにNGはなし」「否定はしないでください。それいいね、から意見を出そう」

これらはブレストには大事なことだし、いろんな視点をいろんな角度から出し合うのがブレスト=Brain Stormingで、文字通り脳をかき回す集団思考法でアレックス・オズボーン先生が提唱した議論法はその有効性も各所で実証されている。

ただ、いくら脳味噌をかき回すためにアイデアを出しまくろうといっても、そのかき回し範囲の責任をとるのがそのブレスト会議を企画した人の義務ではないか、という話になった。

例えば、既存のレシピ情報サービスをさらに収益をあげていける策を考えようというブレストを実施するとする。

そのサービスは、B2Bで食品飲料メーカーをはじめとした大手企業からの広告掲載収益で成り立っているが成長率の限界がみえている。
さあ、今の昨年対比の売上高+5%の伸びから、+15%にするにはどんなアイデアがある?

自由にポストイットか在宅ならオンライン会議ツールのチャット機能でどんどん意見を入れていこう!

まずは当たり前だが、ブレストを企画した人は決められた時間でどこまでの成果を期待するか。その期待値からそもそもそこに「誰を」参加させるか、を決めなくてはならない。

そのブレストでいいアイデアをみつけたい範囲に自分の仕事の責任がある人、その人たちが貴重な1時間という時間を使って、アイデアを出し合うことかできると主催者が期待できる人たち。

レシピ情報や料理関連のプロたちに興味や専門性のない、同じ情報サービスだからといって株価情報サービスもあるよね?アイデアを出そうと主催者が参加者にふっても、ブレスト企画者が招待した参加者たちがその土壌にいなかったり知識自体がなければいいアイデアは出てくる確率はかなり低い。というかその参加者に期待してはいけない。

「何の領域で」そのサービスで儲ける策があるかの議論のワクを決める必要がある。

レシピ情報サービスのB2Bの領域の収益拡大のワクであれば、広告料でさらに違う業種にアプローチできるようなコンテンツを作るか、B2Bでも広告以外の領域も話は盛り上がるかもしれない。

もしそこでB2Bでの収益拡大だけではなく、B2Cの収益可能性まで広げるなら、はたまたレシピ情報サービス以外のプラットフォームをつくってみるようなサービス自体の土台の拡大までをブレストの範囲にするなら、果たして企画者自身がブレストに呼んだ人たちは気持ちよく議論を活発にし今日のブレストの目的まで到達できそうなのか、に責任を持うべきではないかという話。

この土地に金(Gold)があるかもしれないから金をここで掘ってみよう→掘り方はシャベルじゃなくてもしかしたら手掘りで細かくみたほうがいい、という話が深まりそうな時に、あっちの土地にも金があるかもしれないからその土地の探し方話さない?と言われたら、結局その大事な1時間は、そちらの未知の可能性や夢のような話に集中し振り出しに戻る危険性があるのだ。それを狙っていたのであれば、そのような参加者を数人招待しておくべきだしその範囲の前提を参加者に共有すべき。

そしてさらにブレストという会議体の危険性は、それを否定してはいけないという空気。ただ、なぜかみんなの時間を無駄にしてはならないという空気は希薄になりがちだしそれを考えてないけないような雰囲気がある場合が多い。

みんなの大事な時間を無駄にしない為には、ブレストを企画をした人が何の範囲でココまでは決めたいよね、という至極当たり前なことをしっかりと遂行すべきで、ある意味企画した人がそこのブレストルールを決めておく配慮とブレスト内容を軌道修正の任務は果たさないとね、いう事。

オンラインミーティングは、ひとつひとつの発言の重要性が対面のミーティングよりもさらにクリティカルに作用し、また小刻みに過ぎるパソコンの時計の時間の1分ごとが大事だからこそ、このブレストの範囲でのその参加者の時間に対する責任が問われると思う。

新型コロナで役職の名前や偉い人オーラだけで通用していたような人たちが淘汰されていくように、ブレストで今まで無邪気で無責任にブレストを企画していたような人たちははっきり言ってもう害しかない。

みんなの時間に対しての責任。よいアイデアを効率的に出す為だからこそ議論の範囲を守る義務。

ブレストのあり方も、ミーティングのあり方も、オフラインオンライン関わらず今一度見直すいい機会を新型コロナが教えてくれたのかもしれないですね。

#ブレストってnanda?



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